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図2.2.4−5 第3クール・第5静止フェーズ,

開始後間もなくにおけるCo部位の脳波

 

ロ)揺れフェーズ
橋れフェーズは、横揺れフェーズと縦揺れフェーズとに分かれるが、その違いを脳波上区別することは、現段階の資料分析ではできていない。そのため、ここでは横揺れフェーズのみについて検討する。
このサルが生まれて初めて人工的な揺れを体験したときの脳波を検討する、すなわち、第1クール第2フェーズの横揺れフェーズ開始後間もなくのCo部位の脳波をみると(図2.2.4−6)、図2.2.4−4の静止フェーズの脳波とは異なり、速波化が部分的に認められるとともに、中間徐波(10サイクル以下)が混入していることが分かる。
第1クール・第2フェーズの横揺れ開始後約7分の脳波をみると(図2.2.4−7)、中間徐波成分が全体として増え、横揺れが単に緊張のみを引き起こしているのではないことが示された。
最後に、第3クールが終了した後、補足的に行った横揺れフェーズの脳波を検討する。このとき、比較的高電位の中間徐波(10サイクル以下)成分が顕著な波が測定された。この波については慎重な検討が必要であるが、きわめて特異な波と言える。
このときサルは、数次にわたる横揺れ、縦揺れを体験した後に横揺れを受けており、このような数次の揺れにより、サルに「酔い」が生じうる可能性もあり得た状態であった。
当初、われわれは実験を第4クールまで行うことを意図していたが、電池レベルが下がり、テレメータ発信機からのデータの送信が不安定になり、そのため正規には第3クールで実験を中断せざるをえなかった、したがって、補足的に行ったこのときの脳波測定は技術的に良好な状態ではなく、これは脳波成分よりもアーチファクトが多く混入した波であったことも否定できない。もし脳波成分が主

 

 

 

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